【投資初心者必見!】投資のリスクとは?リスクを理解して安全な投資をしよう

投資は資産運用や将来の収入源の確保に役立つ一方で、多くのリスクが伴います。
投資初心者がこれらのリスクを理解することは、賢い投資戦略をするうえで必要不可欠です。

この記事では、投資初心者が押さえておくべきリスク、その他の重要な投資リスクについてわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、投資リスクの全体像が把握でき、自分に適した投資戦略を立てる手助けとなります。
また、リスク管理の考え方を学び、投資におけるリスクを最小限に抑える方法を習得できます。

この記事を読むと、投資初心者がリスクに対する理解を深め、安全かつ効果的な投資手法を身につけることができる点が挙げられます。
投資の世界に挑戦し、資産運用の成功につなげるために、ぜひ参考にしてください。

目次

投資リスクとは?

投資リスクとは、投資に関わる不確実性のことを指します。
決して、損することだけをリスクと呼ぶわけではありません。

市場の変動や経済状況、企業の業績など様々な要因によりリスクが生じます。
これらのリスクを理解し、適切に管理することが投資成功への鍵となります。

投資リスクを把握し、それに対処する方法を学ぶことで、安全かつ効果的な投資戦略を立てることができます。

本記事では、初心者が知っておくべき投資リスクとその対策をわかりやすく解説します。

リスク1|価格変動リスク

価格変動リスクとは?

価格変動リスクとは、資産の価格が上下することによって生じるリスクです。

株式や仮想通貨など、市場価格が変動する資産に影響を受けやすいです。
価格変動は、企業の業績や市場の需給、政治的・経済的要因など多様な要素によって引き起こされます。

価格変動リスクの対処方法

価格変動リスクに対処する方法の一つは、ダイバーシフィケーション(分散投資)です。

※ダイバーシフィケーションについては、後述の章で解説します。

異なる業種や地域の資産に分散投資することで、リスクを低減できます。
また、長期投資を行うことで、短期的な価格変動の影響を緩和することもできます。

例えば…

あなたが100万円で株式に投資したとします。
投資した株式の価格が10%下落した場合あなたの投資額は100万円から90万円になります(100万円 × 0.9 = 90万円)。

このような価格変動による損失が、価格変動リスクです。
価格変動リスクに対処するためには、分散投資や投資期間を長く設定することが有効です。

リスク2|為替変動リスク

為替変動リスクとは?

為替変動リスクとは、外国通貨建ての資産に関連するリスクで、投資では為替レートの変動によって損益が生じる可能性があります。
為替レートは、各国の金利や経済状況、政治的要因などによって変動します。

例えば、米国株を保有している場合、為替変動リスクは米ドルとあなたの国の通貨の変動に影響を受けます。
つまり、投資した商品の価格変動だけでなく、通貨の価格変動にも左右されることになります。

為替変動リスクへの対処方法

為替変動リスクに対処する方法は、通貨ヘッジを利用することです。
通貨ヘッジとは、為替変動のリスクを軽減する手法で、将来の為替レートの変動に対する保護を目的としています。

通貨ヘッジを行う方法には、ヘッジファンドや為替ヘッジ付きETF(上場投資信託)の利用、フォワード為替取引などがあります。
ただし、ヘッジにはコストがかかるため、リスクとコストのバランスを考慮することが重要です。
また、為替変動リスクを低減する別の方法として、複数の通貨建ての資産に分散投資することも有効です。

例えば…

あなたが100万円で米国株に投資し、投資額は1ドル=100円の時点で1万ドル相当となります。
その後、投資額は変わらず1万ドルのままですが、為替レートが1ドル=90円に変動した場合、あなたの投資額は90万円になります(1万ドル × 90円 = 90万円)。

このような為替変動による損失が、為替変動リスクです。
為替変動リスクに対処するためには、通貨ヘッジを利用するか、複数の通貨建ての資産に分散投資することが有効です。

リスク3|信用リスク

信用リスクとは?

信用リスクとは、投資対象となる企業や国が借金の返済に失敗することにより、投資家が損失を被るリスクです。
特に、債券投資や企業への融資においてこのリスクが顕著に現れます。

信用リスクは、企業の業績や国の財政状況などが影響を与えます。

信用リスクへの対処方法

信用リスクに対処する方法として、信用評価機関の格付け情報を参考に、信用リスクの低い投資対象を選択することが有効です。

また、複数の企業や国の債券に分散投資することで、リスクを低減できます。

例えば…

あなたが100万円を使って米国の企業債券に投資したとします。
この企業が倒産し、債券の価値が50%減少した場合、あなたの投資額は100万円から50万円になります。

このような信用リスクによる損失を避けるためには、信用リスクの低い企業や国債に分散投資することが重要です。

リスク4|流動性リスク

流動性リスクとは?

流動性リスクとは、投資対象の資産を所定の価格で迅速に売買できないことによって生じるリスクです。
取引量が少ない市場や、売り手と買い手のバランスが崩れている場合に流動性リスクが高まります。

流動性が低い資産は、急な市場変動時に売却しにくく、損失を被るリスクが高まります。

流動性リスクへの対処方法

流動性リスクを低減する方法として、流動性の高い市場や資産に投資することが有効です。

また、投資期間や目的に合わせて資産の売却タイミングを計画し、市場の変動に備えることが重要です。

例えば…

あなたが非常に流動性の低い通貨ペア(例:JPY/TRY、円とトルコリラ)を取引した場合、流動性が低いために急な価格変動が起こりやすくなります。
その結果、あなたがその通貨ペアを売却しようとしたとき、流動性が十分にないために所望の価格で売却できず、損失を被る可能性が高まります。

このような流動性リスクを避けるためには、流動性の高い通貨ペア(例:USD/JPY、米ドルと円)に投資することが望ましいです。

リスク5|インフレリスク

インフレリスクとは?

インフレリスクとは、物価の上昇によって資産の実質価値が減少するリスクです。
インフレが進むと、資産が将来的に購買力を失ってしまうことがあります。

特に、現金や低利回りの債券に投資している場合、インフレの影響を受けやすくなります。

インフレリスクへの対処方法

インフレリスクに対処する方法として、インフレに強い資産への投資が有効です。

例えば、株式や不動産、インフレ調整債(TIPS)など、インフレとともに価値が上昇する可能性がある資産に分散投資することが望ましいです。

例えば…

あなたが100万円を現金で保有しているとしましょう。
今後5年間で年平均2%のインフレが発生した場合、5年後の現金の購買力は約90.4万円に減少します(100万円 × (1 – 0.02)^5 ≈ 90.4万円)。
※一方、預金金利は0.001%などなので考えなくてもOKなレベル。

このように、インフレによって資産の実質価値が減少するリスクが生じます。
インフレリスクに対処するためには、インフレに強い資産への投資を検討することが重要です。

リスク6|政治・経済リスク

政治・経済リスクとは?

政治・経済リスクとは、国や地域の政治・経済状況の変化が投資対象の価格に悪影響を与えるリスクです。
例えば、政治不安や経済政策の変更、国際紛争などが投資に影響を及ぼすことがあります。

これらの要因は、株価や通貨の価値、債券の利回りなどに影響を与える可能性があります。

政治・経済リスクへの対処方法

政治・経済リスクに対処する方法として、国や地域をまたいで分散投資を行うことが有効です。
また、リスクの高い国や地域の投資対象を避け、安定した政治・経済状況を持つ国や地域に投資することが望ましいです。

例えば…

あなたが100万円である国の株式に投資したとします。
その国で政治的不安(直近で言えばロシア・ウクライナ問題など)が発生し、株価が20%下落した場合、あなたの投資額は100万円から80万円になります(100万円 × 0.8 = 80万円)。

このような政治・経済リスクによる損失を避けるためには、複数の国や地域に分散投資を行うことが重要です。

リスク7|税金リスク

税金リスクとは?

税金リスクとは、税制の変更や税率の変動が投資収益に影響を与えるリスクです。

例えば、所得税やキャピタルゲイン税、配当税などの税率が変更されると、投資の収益性が変化します。

キャピタルゲイン税:
値上がりしたときに課せられる税金のこと

税金リスクは投資家の利益を減少させる要因となるため、投資の計画において考慮する必要があります。

税金リスクへの対処方法

税金リスクに対処する方法として、税制や税率の変更に対応できる投資戦略を立てることが重要です。
また、税金対策のために、優遇税制を活用した投資商品や税金がかからない節税対策を検討することが望ましいです。

例えば、暗号資産は雑所得のため税率が最大55%になります(所得税+住民税)。
しかし、株式投資は20.315%と半分以下になることがあります。

現在の日本の税制では暗号資産は雑所得扱いになるため、同じ投資といえどリスクの差が表れてしまいます。

例えば…

あなたが100万円で株式に投資し、株価が上昇して200万円になったとします。
現行のキャピタルゲイン税が20%の場合、利益の20万円(100万円 × 0.2)が税金として徴収されます。

しかし、税制が変更されてキャピタルゲイン税が25%になった場合、利益の25万円(100万円 × 0.25)が税金として徴収されることになり、収益が減少します。

このような税金リスクに対処するためには、税制変更に柔軟に対応できる投資戦略を立てることが重要です。

リスクとリターンの関係

リスクとリターンの関係とは?

リスクとリターンは投資において密接な関係があります。
一般的に、リスクが高い投資は高いリターンが期待されるのに対し、リスクが低い投資は低いリターンが期待されます。

投資家は自分のリスク許容度に応じて、適切なリスク・リターンのバランスを取ることが重要です。

例えば、ハリー・マーコウィッツによるモダン・ポートフォリオ理論(MPT)は、リスクとリターンの関係を明確に示す理論の一つです。

MPTは、投資家が最適なリスク・リターンのバランスを達成するポートフォリオを構築できることを示しています。
この理論では、異なる資産間の相関性を利用してリスクを軽減しながらリターンを最大化することが目的です。

このように、賢い先人たちの理論を取り入れるのも手法の1つです。

リスクとリターンのバランスの取り方

リスクとリターンのバランスを取る方法として、分散投資や資産配分が有効です。
複数の異なる投資商品に資金を分散させることで、リスクを軽減しながらリターンを追求できます。

米国の研究論文では、過去のデータをもとに株式、債券、不動産などの異なる資産クラスに分散投資することで、リスクを下げながらリターンを最適化できるとされています。

※この論文は、“Optimal Asset Allocation in Asset Liability Management”というタイトルで公開されているので、気になる方は見てみてください。

また、リスクとリターンのバランスに関する有名な例として、ウォーレン・バフェットの投資戦略が挙げられます。
彼は優れたファンダメンタルズを持つ企業を長期的に保有することで、リスクを抑えながら高いリターンを得ることができました。
バフェットの成功は、リスクとリターンのバランスを考慮した投資戦略の重要性を示しています。

ファンダメンタルズ:
国や企業などの経済状態などを表す指標のこと。
企業で言うと、売上高・負債(B/S、P/L)など。すぐに価格に影響は与えないものの、運営の状況を知れるので今後の予想が立てられる。

リスクとリターンの関係を理解し、自分のリスク許容度に応じた適切な投資戦略を立てることが、投資成功に繋がります。
分散投資や資産配分を上手く活用し、モダン・ポートフォリオ理論などの理論や他の投資家の経験を参考にしながら、リスクとリターンのバランスを最適化していくことが大切です。

投資初心者は、リスクとリターンの関係を熟知し、適切な投資戦略を実践することで、安定したリターンを追求することが可能になります。
定期的にポートフォリオの見直しを行い、リスクとリターンのバランスを維持することが重要です。

これらのステップを踏むことで、初心者投資家も安定したリターンを得ることができるでしょう。

リスク許容度の把握

リスク許容度とは?

リスク許容度とは、投資家が投資リスクに対してどれだけの損失を許容できるかを示す指標です。

リスク許容度は、年齢、収入、貯金、投資目的、投資期間などの要素によって異なります。
自分のリスク許容度を把握することで、適切な投資戦略を立てることができます。

リスク許容度を評価する方法として、アンケート形式が一般的です。
例えば、全国銀行協会ではリスク許容度診断テストがあり、テストに答えると自分がどんなタイプか・どういう役割の資産をどのくらい持った方が良いのかなどを教えてくれます。

リスク許容度のステップ

リスク許容度の把握には、以下のような具体的なステップがあります。

  1. 自分の投資目的や目標を明確にする。
  2. 投資期間を設定し、どれくらいの期間で目標を達成したいかを決める。
  3. ツールなどを利用して、自分のリスク許容度を測定する。
  4. リスク許容度に応じた資産配分を検討し、適切な投資戦略を立てる。

リスク許容度を把握することは、投資において非常に重要です。
自分のリスク許容度に合わせた投資戦略を立てることで、無理なく投資を続けることができ、長期的なリターンを追求することが可能になります。

ダイバーシフィケーション(資産分散)

ダイバーシフィケーションとは、投資リスクを減らすために、異なる資産種類や業種に投資することです。
一言で言えば、「卵は一つの籠に入れない」という考え方です。

ダイバーシフィケーションを行うことで、特定の資産や業種に関連するリスクを分散させ、全体的なリスクを低減できます。
具体例として、株式だけでなく、債券や不動産、金などの資産に投資することでリスクを分散させることができます。
また、国内だけでなく、海外市場にも投資することで、地域に特有のリスクを軽減できます。

有名な研究である「Determinants of Portfolio Performance」では、投資家のポートフォリオのパフォーマンスにおいて、資産配分が投資リターンの90%以上を決めるとされています。
これは、資産配分とダイバーシフィケーションが投資成果に大きな影響を与えることを示しています。

ダイバーシフィケーションは投資家がリスクを分散させ、全体的なリスクを低減する手法です。
異なる資産クラスや業種、国に投資することでリスクを軽減できます。
研究によれば、資産配分が投資リターンの大部分を説明し、ダイバーシフィケーションが投資成果に重要な役割を果たしています。

投資信託が流行している・積み立てNISAが投資信託しかできない理由は、この分散による安全性の担保が一番だと思っています。

らるじゅ

資産を減らすために投資をしている人はいませんからね。

リスクマネジメントの基本

リスクマネジメントは、投資におけるリスクを評価、管理し、適切なリターンを得るためのプロセスです。

リスクマネジメントの基本は、以下の4つのステップに分けられます。

  1. リスクの特定
    • 投資ポートフォリオに潜むリスクを特定することが第一歩です。
    • これには、市場リスク、信用リスク、流動性リスク、為替リスクなどが含まれます。
  2. リスクの評価
    • 次に、特定されたリスクがどの程度の影響を与えるか評価します。
    • この評価を通じて、リスク許容度に見合った投資戦略を立てることができます。
  3. リスクの管理
    • 評価されたリスクを適切に管理するための戦略を立てます。
    • これには、ダイバーシフィケーション、適切な資産配分、ストップロス注文などが含まれます。
  4. リスクのモニタリング
    • 最後に、定期的に投資ポートフォリオのリスク状況を監視し、必要に応じて戦略を調整します。

具体例として、有名なリスク管理手法であるバリュー・アット・リスク(VaR)があります。
VaRは、ある期間内に投資ポートフォリオが受けるリスクを金額で表したものです。

※VaRについては、野村総合研究所楽天証券などを参考にしてみてください。

リスクマネジメントは、リスクの特定、評価、管理、モニタリングの4つのステップから成り立ち、これらを通じて、投資家はリスクを適切に評価し管理することができます。
その具体例として、バリュー・アット・リスク(VaR)がリスク管理手法として広く用いられています。

まとめ|リスクはつきもの!自分にあったリスクをとることが大切

本記事では、投資初心者が押さえておくべきリスクと、その他の重要な投資リスクについて解説しました。

価格変動リスク、為替変動リスク、信用リスク、流動性リスクは、投資の基本的なリスク要素なので理解しておくことが重要です。

また、リスクとリターンの関係や、リスク許容度の把握、資産分散によるダイバーシフィケーション、リスクマネジメントの基本といったリスク管理の考え方も紹介しました。
投資を行う際には、自分のリスク許容度に合わせた適切な投資戦略を立てることが大切です。

これらのリスクやリスク管理の考え方を理解し、自分の投資スタイルに合わせた対策を取ることで、投資におけるリスクを最小限に抑えながらリターンを追求することができます。

投資初心者の皆さんも、これらのリスクを押さえながら投資の世界に挑戦してみてください。

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